第９回オーストラリア全国大会

中華民国キャンピング＆キャラバニング連盟会長
ウォーレン・ツォン

１９９５年１２月２８日午前８時、メルボルンに到着した。マウイカンパニーでキャラバンをレンタルして、キャンプ場に向かった。それは第９回オーストラリア全国大会の会場に選ばれたキャンプ場である。メルボルンから車で約３時間半、それからホーシャムの北２０分の場所にある。舗装したての道路を２キロほど走ると、めざすキャンプ場に着いた。

我々一行は最初に大会実行委員長のブライアン・ケルハール氏の暖かい歓迎を受けた。ブライアンみずからチェックインを手伝い、我々をエリアに案内してくれた。エリアに向かう途中、多数の先着キャンパーが我々を歓迎してくれた。手を振る者、挨拶の言葉を投げかける者、さらには力いっぱい抱擁する者までいて、みな感激した。

メインのイベント会場は、２つのビッグテントを「Ｖ」の字に並べて作られていた。各テントはそれぞれ６００人収容できる。今回のラリー参加者は合計２０００人。海外からの参加者は２５人のニュージーランドが最大で、これに次ぐのが我々９人のグループだ。ブライアンは「この大会を準備するのに６年かかった」と語った。だが、それはまったく驚くにあたらない。なぜならば、準備にそれだけ長い時間を費やさなければ、これほど素晴らしい大会ができるはずはないからだ。

ブライアンの話からオーストラリアには４つのラリー委員会があることを知った。これらのラリー委員会は３年毎に交替でナショナルラリーを組織する。言い換えれば、ブライアンのラリー委員会が次回再びナショナルラリーを開催するチャンスがめぐってくるのは、１２年後ということになる。彼らがラリーの準備に真剣に取り組むのもうなずけるのである。

２９日、我々はランチパーティーを催し、実行委員会のメンバーおよび各連盟の会長と家族を招待した。参加者はみな楽しい時間を過ごした。パーティーの冒頭で、私はＦＩＣＣ（国際キャンピング＆キャラバニング連盟）とＦＣＣＣ（中華民国キャンピング＆キャラバニング連盟）について簡単に紹介した。それから、アジア・パシフィックニュース創刊号をブライアンに贈呈した。それは、私が台湾を出発する直前にＦＩＣＣ理事の明瀬一裕氏が速達で私に送り届けてくれたものである。ブライアンも感謝の言葉を述べ、ＦＣＣＣとオーストラリアの連盟との友情が末長く続くことを祈った。

１２月３０日の早朝、実行委員の１人が自転車にのって、毎日発行されるラリー新聞を配達してくれた。新聞は昨日のランチパーティーに最大の紙面を割いて報道していた。我々はみな一種誇らしい気持ちを抱いた。

８時３０分、我々はラリー本部とエリアをひとつひとつ回って歩き、別れのあいさつをした。誰もが３年後、次のラリー開催地、クイーンズランドで会おうと口々に言った。９時３０分、我々はみな目に涙を浮かべて、ブライアンやその他のキャンパー仲間に手を振り、「さよなら、友よ」とつぶやいた。そう、楽しいことには必ず終わりがある。