持続可能なキャンピングキャンパーの責任
- ＦＩＣＣ会長
ラルス・ダールベルク
私たちキャンパーは、健全な環境を大切にすることを、自分たちが活動する上での前提条件であると認識しています。私たちは、美しく新鮮な自然が楽しいキャンプに不可欠であることを知っています。そのような自然こそ、私たちが余暇を過ごし、友たちと共にくつろぎ、そして日々の生活の活力を獲得する場なのです。
キャンプをすることによって私たち人間が自然環境になんらかの負担を与えることは避けられませんが、さりながら自然環境を危機にさらすことのないキャンプ、それが責任あるキャンピングです。私たちが責任あるキャンピングを実践するならば、キャンパーの特権を将来の世代から奪うことなく、自然環境を享受できることでしょう。私たちの責任を示すこと、それは「持続可能性」に照準を合わせた行動規範を私たちのキャンピング活動に取り入れることにほかなりません。
キャンピングを環境保護の要求に適合させ、自分たちの活動を自然と環境を守る方向へと向けるとき、私たちは持続可能なキャンピングをテーマとすることができます。
持続可能なキャンピングを発展させるには、キャンパー、行政当局、キャンプ場のオーナー、そして地元住民の協力が必要です。しかしながら、環境に優しいキャンプの実践という場面で中心的な役割を果たすのは、なんといっても私たちキャンパーです。持続可能な方策を実行できるか否かは、ほかならぬ私たち自身にかかっているのです。
持続可能なキャンピングの基礎となるものを、以下に簡潔にまとめてみます。
- キャンプ場を設計する際は、当初から環境の視点に立つことが必要です。キャンプ場の立地を決定するときは、環境に与える負荷が最も少ない場所はどこかを調査しなければなりません。
- 建設に当たっては、地域の伝統を考慮にいれるべきです。建築物はまわりの環境や景観と調和しなければなりません。また、建設材料や工法は環境に優しいものでなければなりません。
- 伝統的な景観や自然の多様性に注意を払うことも必要です。アスファルト舗装を避けて、十分な植生空間を確保すべきです。
- 交通騒音や交通が原因で生じるその他の問題は、できるかぎり低減しなければなりません。
- キャンプ場の管理人およびユーザーは、なるべく地元の製品やサービスを利用すべきでしょう。
- キャンプ場の管理人およびユーザーは、あらゆる場面で持続可能なキャンピングの原則に従って行動しなければなりません。
- 持続可能なキャンピングには、なるべく公共交通機関を利用することも含まれます。
- ハイキングやサイクリングは環境に優しい実践の一例です。
- 自然のなかではキャンパーは決められた道から出ないようにします。自然と親しむイベントは、既存のルートや遊歩道を利用するように計画しなければなりません。このような形で設定された自然探索コースのゴールは、環境に関する私たちの知識と自然に対する意識の向上であるべきです。
- 水の消費量や照明および熱エネルギーの使用をコントロールする必要があります。ハンドドライヤーなどの使用は避けるべきです。
- 環境に有害な製品、たとえば使い捨ての皿、コップ、洗面用品などは用いないようにします。カンやペットボトルに入った飲料は避け、びん入り飲料を選ぶべきです。
- 私たちキャンパーはゴミの分別にも気を配らなければなりません。潤滑油など問題のあ るゴミは、専門の処理会社に送らなければなりません。有機水は肥料とし、自然にはいっさいゴミを残さないようにします。
